「血圧が高い」と言われたらまずやること5つ|放置せず今日からできる対策を管理栄養士が解説

健康診断

健康診断で「血圧が高いですね」と言われると不安になりますよね。

高血圧って…病院に行ったほうがいい?

食事を変えないといけない?

特に40~74歳の働く世代では、仕事や家事で忙しく、自分の健康管理を後回しにしてしまうことも少なくありません。

しかし、血圧が高いと言われたからといって、最初から生活習慣をすべて変える必要はありません。

まずは自分の血圧を正しく知り、普段の食事や生活習慣を振り返ることから始めてみましょう。

この記事では、以下の内容を管理栄養士がわかりやすく解説します。

  • 高血圧の基本知識
  • 「血圧が高い」と言われたらまずやること
  • 今日からできる生活習慣改善法
  1. 血圧が高いと言われたら、まず知っておきたいこと
    1. そもそも「血圧が高い」とはどのくらい?
    2. 血圧が高くても自覚症状がないことがある
    3. 高血圧を放置するとどうなる?
  2. 「血圧が高い」と言われたらまずやること5つ
    1. ① もう一度、血圧を測って自分の血圧を確認する
    2. ② 家庭血圧を測って記録する
    3. ③ 健診結果のほかの項目も確認する
    4. ④ 普段の食事を振り返ってみる
    5. ⑤ 必要に応じて医療機関を受診する
  3. 血圧が高い人が今日からできる食事の対策
    1. まずは「減塩」を意識する
    2. ①味噌汁やスープは汁を飲みすぎない
    3. ②しょうゆやソースは「かける」より「つける」
    4. ③ラーメン・そば・うどんなどの麺類は食べ方を工夫する
    5. ④加工食品や惣菜は栄養成分表示をチェックする
    6. ⑤野菜や果物を取り入れてバランスを整える
  4. 食事以外で血圧を下げるために見直したい生活習慣
    1. ①運動不足を解消する
    2. ②体重が気になる人は適正体重を目指す
    3. ③お酒を飲む人は飲酒量を見直す
    4. ④喫煙している人は禁煙を検討する
    5. ⑤睡眠やストレスにも目を向ける
  5. 「血圧が高いけど病院に行くべき?」受診の目安
    1. 病院受診を考える ①健診結果を見た時
    2. 病院受診を考える ②家庭血圧が高かった時
    3. 病院受診を考える ③血圧がかなり高い場合は早めの受診を
    4. 突然の激しい頭痛や胸痛などがある場合は注意
  6. 血圧が高いと言われたら、まずは「血圧を知ること」から始めよう
    1. 最初からすべての生活習慣を変える必要はない
    2. まずは家庭血圧を測ることから始めよう
    3. できることを一つずつ続けることが大切

血圧が高いと言われたら、まず知っておきたいこと

そもそも「血圧が高い」とはどのくらい?

血圧には「上の血圧」と「下の血圧」があります。

上の血圧は「収縮期血圧」、下の血圧は「拡張期血圧」と呼ばれます。

日本高血圧学会では、高血圧の診断基準として、診察室で測った血圧が収縮期血圧140mmHg以上、または拡張期血圧90mmHg以上とされています。

ただし、血圧は測る場所や時間、緊張の有無などによって変動します。

そのため、健康診断で一度高い数値が出たからといって、それだけで高血圧と判断するわけではありません。

つまり病院では計測することが出来ない、「朝起きてすぐ」や「夜寝る前」に「落ち着いた状態で」計測した血圧が最も信頼できる血圧と言えます。

「今回だけ高かったのかな」とそのままにするのではなく、普段の血圧を確認することが大切です。

家庭で血圧を測って記録しておくと、医療機関を受診するときにも役立ちます。

血圧が高くても自覚症状がないことがある

「血圧が高いなら、頭痛やめまいなどの症状があるのでは?」と思うかもしれません。

しかし、高血圧は自覚症状がないまま進むこともあります。

「特に体調が悪くないから大丈夫」と自己判断してしまうと、血圧が高い状態を長期間放置することにつながります。

だからこそ、健康診断で血圧が高いと言われたら、症状の有無だけで判断せず、血圧の状態を確認することが大切です。

高血圧を放置するとどうなる?

高血圧が続くと、血管に強い負担がかかります。

人間の血管はゴムチューブに例えられることが多いです。

高血圧状態が続くということは、チューブが強く伸び縮みし続けている状態と言えます。

ゴムは強く伸縮し続けると、段々と脆くなり、千切れやすくなってしまいますよね。

この状態がいわゆる「動脈硬化」です。

人間の体内や臓器は多くの血管で構成されています。

そのため長期間にわたって血圧が高い状態が続くと、脳卒中や心臓病、腎臓の病気などのリスクにつながることがあります。

高血圧の治療は、単に血圧の数字を下げるためだけではありません。

将来的な脳や心臓、腎臓などの病気を予防することも重要な目的です。

そのため、「症状がないから大丈夫」と考えず、血圧が高いと言われた段階で生活習慣を見直していきましょう。

「血圧が高い」と言われたらまずやること5つ

① もう一度、血圧を測って自分の血圧を確認する

まず行いたいのが、血圧をもう一度測ってみることです。

血圧は、測定する時間や直前の行動、精神的な緊張などによって変化します。

自宅で測定する場合は、落ち着いた状態で測ることを意識しましょう。

1回の数字だけを見るのではなく、「普段はどのくらいなのか」を知ることがポイントです。

② 家庭血圧を測って記録する

健診で血圧が高かった人は、家庭血圧を測る習慣をつけるのがおすすめです。

日本高血圧学会では、家庭血圧を測定して記録することを勧めています。家庭血圧は、診断や治療の判断にも重要な情報になります。

測った血圧は、ノートやスマートフォンなどに記録しておきましょう。

「朝は高い」「仕事から帰った後は高め」など、自分の血圧の傾向が見えてくることもあります。

医療機関を受診する場合には、こうした家庭血圧の記録を医師に見せると、血圧の状態を判断するための参考になります。

③ 健診結果のほかの項目も確認する

血圧が高かったときは、血圧の数字だけでなく、健診結果全体を確認してみましょう。

たとえば、血糖値やHbA1c、LDLコレステロール、HDLコレステロール、中性脂肪、尿検査などです。

血圧が高い人では、ほかの生活習慣病のリスクもあわせて確認することが大切です。

特に40~74歳では、血圧だけでなく、体重や腹囲、血糖、脂質などを含めて健康状態を考えることが重要です。

「血圧だけ少し高かったから大丈夫」と考えず、健診結果を一度まとめて確認してみましょう。

④ 普段の食事を振り返ってみる

次に、普段どんな食事をしているかを振り返ってみましょう。

「麺類を食べることが多い」

「毎食、味噌汁やスープを飲んでいる」

「しょうゆやソースをたっぷりかける」

「コンビニやスーパーの惣菜をよく利用する」

「外食が多い」

など、普段の食事を知ることが、食生活改善のスタートです。

⑤ 必要に応じて医療機関を受診する

健診で血圧が高かった場合は、「忙しいから」と放置せず、健診結果に記載された指示を確認しましょう。

検査結果のコメントに、「要受診」や「要精密検査」と記載があればその結果をもってすぐに受診するようにしてください。

また健診で血圧が正常値であっても、家庭で測った血圧が高い場合や、血圧が高い状態が続いている場合は、医療機関への相談を検討してください。

家庭血圧の基準値は、上の血圧が135mmHg未満かつ下の血圧が85mmHg未満です。

特に、血圧がかなり高い場合には早めの受診がすすめられます。

日本高血圧学会は、上の血圧が160mmHg以上、または下の血圧が100mmHg以上の場合は、すぐに医療機関を受診することを勧めています。

血圧が高い人が今日からできる食事の対策

まずは「減塩」を意識する

血圧が高いと言われたら、まず見直したい食生活の一つが「塩分」です。

従来の日本高血圧学会のガイドラインでは、高血圧患者の食塩摂取量を1日6g未満とすることが推奨されています。

令和6年の国民健康・栄養調査では、「食塩摂取量の平均値は9.6 gであり、男女別にみると、男性10.5 g、女性8.9 gである。」と言う結果が出ています。

味噌や醤油を頻繁に利用する日本人は、世界的に見ても塩分の摂取量が多い傾向にあります。

大抵の人が塩分を摂りすぎている中で、いきなり塩分量を細かく計算するのは大変ですよね。

そこで、まずは「塩分を摂りすぎている食品や食べ方を減らす」ことから始めてみましょう。

ここからは、具体的な減塩方法についてお伝えしていきます。

①味噌汁やスープは汁を飲みすぎない

味噌汁やスープなどの汁物は、毎日の食事に取り入れやすい一方、塩分を摂りすぎる原因になることがあります。

毎食汁物を飲んでいる人は、まず「本当に毎食必要か」を考えてみましょう。

飲む場合も、具材を多めにして汁を少なめにすることで、食べごたえを保ちながら塩分を減らす工夫ができます。

外食でラーメンやうどんなどを食べるときも、汁を全部飲まないことを意識してみましょう。

②しょうゆやソースは「かける」より「つける」

調味料の使い方を変えるのも、取り組みやすい減塩方法です。

しょうゆやソースを料理全体にたっぷりかけるのではなく、小皿に少量出して「つけて食べる」ようにしてみましょう。

料理に直接かけるよりも、使う量を意識しやすくなります。

また、だしや香辛料、酢、レモンなどを活用すると、塩分を控えても料理の味を楽しみやすくなります。

③ラーメン・そば・うどんなどの麺類は食べ方を工夫する

仕事が忙しいと、昼食にラーメンやそば、うどんなどの麺類を利用することもありますよね。

麺類を完全に禁止する必要はありません。

ポイントは「汁を飲み干さない」「毎日のように麺類だけの食事にしない」など、食べ方を工夫することです。

例えば、麺類に野菜や卵などの具材を加えることで、食事全体の栄養バランスも整えやすくなります。

「好きなものを我慢する」のではなく、「食べ方を少し変える」ことから始めてみましょう。

④加工食品や惣菜は栄養成分表示をチェックする

忙しく働いていると、コンビニやスーパーの惣菜を利用する機会も多いでしょう。

惣菜や加工食品を利用するときは、パッケージの「食塩相当量」を確認する習慣をつけてみましょう。

同じような商品でも、食塩相当量が異なる場合があります。

毎回細かく計算する必要はありません。

まずは「食塩相当量を見る」という習慣をつけるだけでも、食品を選ぶときの意識が変わってきます。

⑤野菜や果物を取り入れてバランスを整える

減塩だけに注目すると、「食べてはいけないもの」ばかりを考えてしまいがちです。

しかし、血圧対策では、食事全体のバランスを整えることも大切です。

野菜や果物などを適量取り入れ、主食・主菜・副菜をそろえることを意識しましょう。

厚生労働省も、健康的な食生活の取り組みとして、野菜や果物の摂取、食塩摂取量の減少などを掲げています。

野菜や果物に含まれる「カリウム」という成分は、体内に入りすぎてしまった塩分(ナトリウム)を排出させる効果もあります。

ただし、腎臓の病気などでカリウムの摂取制限を受けている場合は、自己判断で野菜や果物を増やさず、医師や管理栄養士に相談してください。

食事以外で血圧を下げるために見直したい生活習慣

ここまでは食事の改善についてお話してきました。

しかし、血圧を下げるためには食事以外にも気を付けたいポイントがいくつかあります。

ここからは、食事改善以外の血圧を下げる方法についてお伝えしていきます。

①運動不足を解消する

運動不足も、血圧を見直すときに確認したいポイントです。

「運動が苦手」「仕事が忙しくて運動する時間がない」という人は、最初から長時間の運動をする必要はありません。

まずは通勤時に少し多く歩く、エレベーターではなく階段を使う、仕事の合間に体を動かすなど、日常生活の中で活動量を増やすことから始めてみましょう。

無理なく続けられる方法を選ぶことが大切です。

②体重が気になる人は適正体重を目指す

体重が増えている場合は、体重管理も血圧対策の一つになります。

ただし、「血圧を下げるために急激に痩せなければ」と考える必要はありません。

食べる量や間食、飲酒などを少しずつ見直し、無理のないペースで体重を管理していきましょう。

体重だけでなく、腹囲や食生活、運動習慣などもあわせて確認することが大切です。

③お酒を飲む人は飲酒量を見直す

飲酒習慣がある人は、お酒の量や頻度も振り返ってみましょう。

「毎晩ビールを飲む」「仕事のストレスで飲酒量が増えている」という場合は、飲む量を減らしたり、休肝日を設けたりすることを検討してみましょう。

飲酒量を減らすことは、血圧だけでなく健康全体を考えるうえでも重要です。

④喫煙している人は禁煙を検討する

喫煙は血管や循環器系の健康にも関係するため、血圧が気になる人は禁煙を検討しましょう。

「自分の意思だけではやめられない」と感じる場合は、禁煙外来など医療機関のサポートを利用する方法もあります。

一人で頑張ろうとせず、利用できるサポートを上手に活用しましょう。

⑤睡眠やストレスにも目を向ける

仕事が忙しい世代では、食事や運動だけでなく、睡眠不足やストレスにも目を向けたいところです。

「平日は睡眠時間が短い」「仕事のストレスが強い」という人は、まず睡眠時間を確保することや、リラックスできる時間を作ることを意識してみましょう。

すべてを一度に改善する必要はありません。

自分が取り組みやすいところから、一つずつ変えていくことが大切です。

「血圧が高いけど病院に行くべき?」受診の目安

血圧を下げるための生活改善方法についてお伝えしてきました。

しかし、日々の血圧が基準値を超えていると「本当にこのままで大丈夫なのかな?」と不安になりますよね。

病院受診の目安を知り、自身の安全を守りましょう。

病院受診を考える ①健診結果を見た時

健診で血圧が高かった場合は、まず健診結果に書かれている「要再検査」「要精密検査」「要受診」などの判定を確認しましょう。

健診で一度高かったからといって、必ずしも高血圧と診断されるわけではありません。

一方で、「一度だけだから大丈夫」と何もしないのもおすすめできません。

家庭血圧を測定して、自分の血圧が普段どのくらいなのかを確認してみましょう。

病院受診を考える ②家庭血圧が高かった時

家庭で測った血圧が高い状態が続く場合は、医療機関に相談しましょう。

家庭血圧では、一般的に診察室血圧より低い基準が用いられます。

日本高血圧学会では、家庭血圧で収縮期血圧135mmHg以上、または拡張期血圧85mmHg以上を高血圧の基準としてきました。

ただし、血圧の評価や治療方針は年齢、持病、健診結果などによって異なります。

自己判断で「このくらいなら大丈夫」と決めず、気になる場合は医師に相談しましょう。

病院受診を考える ③血圧がかなり高い場合は早めの受診を

血圧がかなり高い場合は、生活習慣を改善しながら様子を見るのではなく、医療機関への相談を優先しましょう。

日本高血圧学会は、上の血圧が160mmHg以上、または下の血圧が100mmHg以上の場合、すぐに医療機関を受診することを勧めています。

また、脳卒中や心臓・腎臓の病気、糖尿病などがある場合は、より慎重な対応が必要です。

突然の激しい頭痛や胸痛などがある場合は注意

血圧が高いうえに、突然の激しい頭痛、胸の痛み、息苦しさ、意識がおかしい、ろれつが回らない、手足の麻痺など、普段とは明らかに違う症状がある場合は注意が必要です。

このような症状があるときは、「血圧が高いだけ」と自己判断せず、緊急性を考えて医療機関に相談してください。

血圧が高いと言われたら、まずは「血圧を知ること」から始めよう

最初からすべての生活習慣を変える必要はない

血圧が高いと言われると、「塩分を減らして、運動して、痩せて、お酒もやめて……」と、すべてを一気に変えようとしてしまうかもしれません。

しかし、最初から完璧を目指す必要はありません。

大切なのは、今の自分の生活の中で「変えられそうなところ」を一つ見つけることです。

例えば、毎日飲んでいる味噌汁の汁を少し残す、しょうゆをかけすぎない、帰宅時に10分歩くなど、小さな行動から始めてみましょう。

まずは家庭血圧を測ることから始めよう

しつこいようですが、「血圧が高い」と言われたら、まず自分の血圧を知ることから始めてみましょう。

家庭血圧を継続して測定すると、自分の血圧がどのくらいなのかを把握しやすくなります。

測定した血圧を記録しておけば、医療機関を受診するときにも役立ちます。

血圧を下げることを考える前に、まずは「自分の血圧を知る」。

これが、血圧対策の第一歩です。

できることを一つずつ続けることが大切

血圧対策は、短期間だけ頑張れば終わるものではありません。

減塩、体重管理、運動、節酒、禁煙など、生活習慣を少しずつ見直していくことが大切です。日本高血圧学会のガイドラインでも、生活習慣の改善は高血圧の予防・管理に重要な位置づけとなっています。

「今日から全部変える」のではなく、

まず血圧を測る

普段の食事を振り返る

できそうなことを一つ始める

続けながら血圧の変化を確認する

というように、無理のないペースで取り組んでみましょう。

健診で「血圧が高い」と言われたことは、これからの生活習慣を見直すきっかけにもなります。

まずは自分の血圧を知り、できることから一つずつ始めてみてください。

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